文章を書くことが苦手な理由

文章を書くことが苦手な人は多いと思いますが、最大の理由は「伝えたいことがない」からです。「どうしても伝えたいこと」があれば、多少表現力が下手でも、伝わりやすい文章が書けるようになっていきます。永田塾では、この点に着目し、効果的な作文指導を行っています。

中学生で「どうしても伝えたいこと」があることは稀なので、「伝えたいこと」を与えられた条件から「機械的に」決めるように指示しています。限られた試験時間の中で自分の「伝えたいこと」を整理するのは困難です。

ここでは文章を書く練習と割り切って、作業として取り組みます。

「伝えたいこと」の決め方

最初にテーマを決める

与えられた文章や資料の中から、テーマを決めます。深く考える必要はなく、「表面的な理解」でかまいません。あくまでも文章を書く練習です。「友情」「家族」「手書きのよさ/欠点」などシンプルに決めます。

体験談はフィクションで

次に、そのテーマに沿って、「体験談」を創作します。実体験を考える必要はありません。極めて短い時間でやらなければいけないので、過去の実体験を思い出している余裕はありません。実体験を書こうとすると、細かい部分が気になって文章化が難しくなってきます。

あらかじめいくつかのパターンを用意しておき、その中から選ぶようにします。ピッタリのものがなかったとしても慌てる必要はありません。体験談のパターンを用意する練習をしていれば、短い時間でも作り出せるようになります。

部活をやっている人は、部活に限定すると書きやすいです。自由に考えると大変なので、条件を絞って書きましょう。「夏まつり」に絞って体験談を作っている人もいました。発想を広げるのではなく、できるだけ狭くする(狭く発想する)ことで「具体的な体験談」が書きやすくなります。

体験を通して考えたこと、感じたことを決める

ここも捻る必要はありません。いやなことがあったら「悲しい」、いいことがあったら「嬉しい」のように、できるだけ単純に決めます。複雑なことを考えている時間はありません。

「伝えたいこと」を決める

「伝えたいこと」も機械的に決めます。

例えば「家族」がテーマだとして、「父とは〇〇でした。この時家族との絆を感じました。これからは、家族のことを大切にしていきたいです。」のように、できるだけストレートに表現します。

体験談から書き始める

文章を書くことが苦手な人の多くは、「文章の書き出し方がわからない」と感じていると思います。文章を書きなれていない人にとっては、この「最初の一文」が最も難しく感じます。

「中学2年生の時」で始める

これに対する対策は簡単で、あらかじめ文の始まりを決めておくことです。

おすすめは、「私が中学2年生の時」で始めるようにします。体験談も「中学2年生」に合わせて用意しておきます。「いつ」を明確にすることで、体験談にリアリティを持たせることができます。

文章の書き始めが決まっているので、「最初に何を書いたらいいか」で悩む必要がなくなります。繰り返しになりますが、極めて短い時間で文章を作らなければいけません。悩んでいる余裕はありません。

注意点として、「聞いたことがある」は体験談として説得力がないので避けるようにしましょう。「いつ」「どこで」「誰と」がはっきりわかるように書くのがベストです。

「起承転結」で書く

中高生の作文指導では「結論から書く」が流行っていますが、結論を先に書いてしまうと「同じ事を2回書く」という文章になりがちです。200字前後の短い文章の中で「起承転結」を意識して日本語らしい文章を書きましょう。

意識すると言っても、試験当日に考えている余裕はないので、事前に練習しておきます。

「私が中学2年生の時、父と〇〇しました。その時、父はとても△△だと感じました。そして私は□□と考えました。だから私は××していきたいです。」のようにパターン化して叩き込みます。

段落は2段落構成

問題文に指示がなければ、必ず2段落構成にしてください。各段落、言いたいことは一つに絞ります。わかりやすい文章は「各段落に言いたいことは一つ」です。欲張っていくつも入れてはいけません。試験当日考えている時間はありませんので、事前に段落分けの練習をしておきましょう。

1段落目に体験談と自分の考え、2段落目に自分の決意。

1段落目に体験談、2段落目に自分の考えと決意。

という構成にします。この時、欲張って体験談を二ついれたり、決意を二つ入れたりしないようにしましょう。どっちつかずの中途半端な文章になります。

自分の意思を効率的に伝える技術の習得

私はこれを単なる受験テクニックではなく、「自分の意思を効果的に伝える技術」と位置付けて指導をしています。今は「伝えたいこと」がなかったとしても、「仮の伝えたいこと」を文章にすることで「自分が伝えたいこと」が少しずつわかるようになってきます。著者や出題者の意図をストレートに読み取る練習にもなります。

実際にこの方法で指導していくと「今まで全く文章が書けなかったけど、とりあえず書けるようになった。」という声をよくききます。そこそこ文が書けている人なら満点が狙えます。

文章を書くことが苦手な人も、そうでない人も、是非チャレンジしてほしいと思います。

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