エビングハウスの忘却曲線は間違い?

エビングハウスの忘却曲線は節約率を示している

「エビングハウスの忘却曲線」という言葉はご存知でしょうか?勉強方法を紹介する時にグラフとともに使われることが多いので、聞いたことがある人も多いかと思います。しかしながら、正しく解釈されて表現されていることは稀で、適当に説明しているケースが多い。

エビングハウスの忘却曲線に使われている値は、覚えた量ではなく「節約率」を示しています。節約率とは、一度覚えて、「もう一度覚えるのにかかった時間(%)」を100から引いたものです。少しわかりにくいので下の図を参照してください。

例えば、ある事柄を覚えるのに100秒かかったとします。20分後にもう一度同じ事柄を覚えなおすと、42秒で覚えることができました。100秒‐42秒の58秒が「節約率」に相当します。

節約率=覚えていた量ではない

覚える時間が58秒短くなったということは、その短くなった時間の分を「覚えた」と解釈してもいいんじゃないか?ということで、「節約率=覚えていた量」と解釈されることがあります。

でもちょっと待ってください。よくよく考えると、「再び覚えなければいけない」ということは、この時点では「覚えて」いないんです。覚える時間が短くなっただけで「覚えた」ことになりません。覚えるのが楽になっただけです。

わかりやすく例を示すならば、初見の英単語を100個覚えたとして、翌日覚えている個数は「ゼロ」ということになり、「34個覚えていた」ということにはなりません。

我々の感覚とズレているように感じますが、現実的には「完全に初見の英単語を100個覚える」という状況がほぼありません。どこかで見たことがある英単語や、末尾が違うだけの派生語、カタカナ英語などが含まれています。なので、実際には100個覚えたら30個くらいは翌日覚えています。(暗記した後もさらに学習を続けると翌日に節約率100%になることもあり得ます。)

復習は翌日するのが最も効率がよい

忘却曲線を見ると、時間とともに節約率がどんどん下がってくるので、「復習する時はできるだけ時間を空けない方がよい」ということになります。当日復習するのは現実的ではないので、翌日に復習したほうが復習の効果が高いということになります。

よく言われている、「2~3日後に復習をしたほうが効率がいい」という根拠はどこにもありません。翌日、翌々日と続けて学習した方が効率がよくなります。

英単語を覚えるなら、節約率100%になるまで覚える

翌日に復習した時の忘却曲線は、例えば次のようになります(概念図で正確なものではありません)。毎日復習すると節約率はどんどん上がっていき、5日後には復習をしなくても節約率が100%になります。節約率100%ということは、「完全に覚えた」状態を意味しています。

4日後に学習をやめてしまうと、せっかく上がってきた節約率が時間とともにどんどん下がっていきます。再び覚えなおすのに時間がかかってしまい、かなりの時間ロスになります。単語帳1冊を終えるのに、2倍、3倍の時間がかかってしまうことも珍しくありません。受験生にとっては致命的なロスとなり、モチベーションを維持するのも困難になります。

ほとんどの受験生が節約率100%になる前に学習を止めているため、「覚えても覚えてもすぐに忘れる」という認識に陥ってしまいます。

永田式英語での解釈とエビングハウスの忘却曲線

永田式英語では、一時的に覚えただけの状態、すなわち、節約率100%に至る前の記憶を「メモ帳」、節約率が100%になった以降の状態の記憶を「ノート」と呼んで区別しています。

ノートに記録された記憶は簡単には忘れません。脳内に神経回路が形成され、手術でもしない限りこの回路を切断することはできないからです。つまり、「一度覚えたことは忘れる方が難しい」ということです。実際に、嫌なことは忘れたくても忘れられないし、一度覚えた日本語の言葉の意味を忘れてしまうという体験はほとんどないはずです。英単語も正しく覚えたら簡単には忘れません。

ただし、使わない記憶は上書きされて薄れていくので適度に使うようにしてください。といっても普通に受験勉強をしていれば基本的な英単語は何度も出てくるので、意識的に使う必要はありません。

「英単語は、覚えても覚えても忘れてしまう」と感じている人はかなりいると思いますが、実際には「忘れてしまう以前に覚えてすらいない」ということです。

永田式英語ではメモ帳とノートを区別して覚える

北本向学館では、「ノート」に記録されたかどうかを単語帳(主にキクタン)を使ってチェックし、実際の暗記作業は、単語のリストを作成して覚えてもらっています。メモ帳とノートを区別することで、英単語にかける学習時間を大幅に短縮することに成功しています。他にも英単語を覚えるノウハウがありますが、別の機会に説明させていただきます。

「効率のよい英単語の覚え方」は理論が少し難解で、実践するには細かい注意点が必要になります。お近くにお住まいの方は是非北本向学館までお越しください。英単語を覚えるノウハウのみの指導なら数回で完了します。

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