「考える習慣」を身に着けると授業がわかるようになる

今月から通塾している国立大志望の生徒さんから、「最近学校の授業がわかるようになってきた」という言葉をいただきました。

とても嬉しい言葉ですが、塾では小学5年生のテキストをやってもらっているだけです。小学5年生のテキストと言っても中学受験用のテキストなので難易度は高め。例題があまり載っていないテキストなので「自分で考えないと」答えにたどり着けません。

他の生徒さんからも同じような事を言われたことがありますが、その時は半信半疑でした。まだ40ページほど、しかも計算中心なのでそこまですぐに効果が出るとは考えていなかったからです。今回は、本人もかなり嬉しかったようで、状況を詳しく話してくれました。

数学は、「考える習慣」がつくだけで劇的に変化します。苦手だった数学で90点台を取ってくる生徒さんもかなりいます。

「特効薬」だけでは対処できない

「考える習慣」は確かに特効薬となりますが、小、中学生の頃から考える習慣のあった生徒さんとは既にかなりの差がついています。小学算数から中学、高校数学をやり直す必要があるので、最低でも丸1年かかります。数学だけやっている訳にはいかないのでかなりギリギリです。

理系志望だとさらに数Ⅲ、物理、化学をやらなければ行けないため、現役ではどうしても「行けるところ」になってしまいます。国立大学への現役合格を目指すなら、小学生・中学生の頃から計画的に学習を進めていく必要があります。

大学受験を考えているなら、1分1秒でも早く取り組むことをお勧めします。「特効薬」だけでは対処が厳しいのが現実です。

浪人も選択支のひとつ?

埼玉県の中学、高校では部活中心の生活になることが多く、現役で国立大学を目指すことはかなり困難です。これは各高校の進学実績を見れば明らかです。 もちろん現役で合格する人も一定数いますが、彼らはかなり早い段階から受験体制を整えています。

浪人を推奨しているわけではありませんが(当塾では現役合格できるように小中学生からカリキュラムを組んでいます)、高校の範囲をしっかり学んでから受験に臨もうとするとどうしても4年計画になってしまいます。理系の大学に進学する場合、数学への取り組みは全ての学問の基礎になるので、高校数学は(浪人してでも)しっかりと取り組んでほしいと考えています。

ただし、小中学生からの借金がある場合、借金の返済に2年以上かかるので、スタートが遅いと2浪しても間に合わなくなります。できるだけ早く受験勉強体制を整えてください。現役受験時である程度形になっていないと(数学だけでも完成させる)浪人しても間に合いません。

小・中学生の頃から考える習慣を

残念ながら、今の教育システムは成功しているとは言えません。大半の生徒さんは先生の言われた通りのやり方で解くことしかできず、質問の中心は「解法の手順を教えてもらうこと」になってしまいます。自分で考えて解法を組み立てるトレーニングをしていると、質問そのものがほとんどなくなります。

小学校では、教えてもらっていないことを答案に書くと、例え「学問的に正しい」ことでもバツにされたりします。結果的に、「自らの考えで答える」ことを否定する教育がなされています。「考え方が大事」という先生はたくさんいますが、それは「自分で考えることが大事」ということではなく「先生の考え方を覚えなさい」という意図で使われることが多くなっています。

ただ言われた通りのことを言われたとおりやっているだけだと、高校の授業で必ず躓きます。本来なら理系に進むべき生徒さんが、高校1年の数学で躓いて文系選択をしてしまう例がかなりあります。

今の学校教育だけでは不十分なため、各家庭で対処をする必要があります。小学生の頃から「考える習慣」が身に付くと、効率よく学習できるようになるので、結果的に勉強時間は少なくなります。「高校生活を楽しみながら現役合格」も可能となります。

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