文章が書けない理由
夏休みの読書感想文。苦手な方も多いと思います。私も文章が書くのが苦手だったので、読書感想文が一番嫌いな宿題でした。何を書いたらいいのかわからないので、毎回あらすじを適当に書いて提出していました。
私は子供の頃、人に何かを伝えたいと思ったことはありませんでした。手紙なんて書こうなんて微塵も考えたことありませんし、アンケートに答えるのも嫌で、日記なんて論外でした。
文章が書けない理由はズバリ「伝えたいものがないから」です。 表現力とかは大した問題ではありません。伝えたいことがあれば文章が下手でもとにかく書くことはできます。
そして、伝えたいという思いが強ければ文章もそれなりにうまくなっていきます。
まずは伝えたいことを決める
中学生、高校生で立派な主張がある人はそれほど多くないと思います。ですので、ここでは伝えたいことをフィクションでいいのでとにかく決めます。奇をてらったり格好つけようとしたりする必要はありません。当たり前のことを当たり前に書くだけで十分です。
今は伝えたいことがなくても、伝えたいことを決める練習をしておけば、いずれ本当に伝えたいことが見つかるようになります。
伝えたいことをどうやったら伝えられるのかを工夫する
例えば
- 説得力のある体験談を書く
- 余分なこと、関係ないことはは書かない(脱線しない)
- わかりやすい言葉で書く(読者を想定し、読者に合わせて言葉を選ぶ)
- どうしてそう思ったのかの理由を書く(納得できる理由がないと伝わらない)
など。本当に伝えたいと思うなら、ちゃんと伝わるように工夫するはずです。
本を読んで自分の中で何が変わったかを書く
読書感想文が、単なる感想文で終わってしまったら面白くありません。
良い本というのは人を変える力があります。あなたが選んだ本が素晴らしい本であるならば、それを読んだあなたは、あなたの中で何か「変化」があったはずです。その「変化」を読書感想文に書くようにします。
そうすれば、その読書感想文を読んだ人が、「この本には人を変える力がある」「自分も読んでみたい」と感じるはずです。感想だけの文よりはるかに価値のある読書感想文になります。
マインドマップを2枚作成する
「自分の中の変化を書く」と言われてもすぐに出てこないかもしれません。そこでまずは「著者の伝えたいこと」を決めます。
「著者の伝えたいことを決める」というとおかしな表現ですが、著者が本当にどう思っているのかは著者にしかわかりません。だから、本を読んだあなた自身が本のテーマ、著者の主張を決めます。
これは、「伝えたいことを決める」ための練習にもなります。
本の内容を1枚の紙にまとめる
紙(A3くらいの大きい紙)を用意して、下の図のようにマインドマップを作成していきます。中央にテーマ、著者の伝えたいことを書き、それに関連したエピソードなどを本の中から拾い集めて書いていきます。
ここでのポイントは深く考えないこと。思いついたものをどんどん書いていきます。目次を参考にすると書きやすいと思います。

自分の「伝えたいこと」を中心にまとめる
先ほどのマインドマップを参考にして自分の「伝えたいこと」を決めます。「〇〇していきたい」という表現がわかりやすくて良いと思います。奇をてらう必要はなく、ありふれた内容でかまいません。
ここで決めた「伝いたいこと」を補強する体験談や、本を読んで感じたこと、考えたことを書いていきます。深く考えず、思いつくままにリストアップしていきます。

体験談は必ず入れるようにします。自分の「伝えたいこと」を効果的に伝えられるような内容にし、「いつ」「どこで」「誰と(何を)」がはっきりわかる内容にしましょう。
全体の流れに気を付けて読書感想文を書く
2枚のマインドマップが完成したら、あとは書くだけです。必要な部分を抜き出して読書感想文を書いていきます。
文章全体の流れを意識し、「〇〇という本を読んで、私はこう感じた、こう考えた、だから私はこのようにしていきたいです。」というようにまとめていきます。
最初に本の紹介をすることになりますが、ただ単にあらすじを書くのではなく、「伝えたいこと」を伝えるために必要な部分のみを抜き出して紹介します。余分なものを書いてしまうと何が伝えたいのかわからなくなってしまいます。
読書感想文が読解力の向上のきっかけに
読書感想文は面倒な宿題ですが、ちゃんと向き合って取り組めば読解力の向上につながります。
これまでは漫然と国語の読解問題の本文を読んでいたかもしれませんが、筆者が何を伝えたいかを意識して読めるようになれば設問にも答えやすくなります。
どうやったら「伝えたいこと」が伝えられるかを考えることで、著者の論理展開を理解する手助けにもなります。