前回は、英語を読むのに英語脳は必要ないというお話でした。今回は、英文を読む時にやってはいけない項目、注意すべき点を集めました。
(1)日本語に訳してはいけない
日本語に訳すと語順が変わってしまい、「前から順に読んでイメージを組み立てていく」ことができなくなります。英語が読みにくくなるどころか、誤訳の原因になります。英語は、前から順に読んでいくことで、はじめて内容が正確にわかるようになっています。
ただし、英語で読むことにこだわる必要はありません。日本語に「訳す」のではなく、前から順番に日本語に置き換えていきましょう。
(2)文法を意識しすぎない
英語学習を学ぶ上で文法学習は重要ですが、英文読解で意識するとかえって読めなくなることがあります。従来の文法教育は、「日本語訳をつくるため」の解釈になっています。文の構造を考えて理解しようとすると、どうしても日本語の語順に引っ張られてしまいます。
英文読解では「前から順に読んでいくための英文法解釈」が必要になってきますが、語学は本来、文法知識がない初学者習得できるものです。必要最低限の文法事項のみを押さえておきましょう。
(3)無理に英語で読もうとしない!
「英単語を日本語に置き換えるのではなくイメージで読め」というアドバイスをよく見かけます。これは逆効果です。無理に英語で読もうとすると、脳の中の「暗号解析プログラム」が起動します。言葉として認識できなくなるので、うまく読めなくなります。
日本語も英語も同じ言葉なので、語順さえ守れば日本語に置き換えて読んでいってかまいません。
黙読を繰り返すことで、日本語は自然に消えていきます。慣れてくると、日本語に置き換える方が面倒になります。
(4)スラッシュに区切る、ブロックに分けて読んではいけない
英語を英語で読む方法というと、スラッシュリーディングが主流です。教科書ガイド等にもよく使われている手法です。前から読んでいくという点は似ていますが、永田式直読直解法とは決定的な違いがあります。
スラッシュに区切ることで、ブロックごとに日本語に訳をする癖がつきます。そしてそのままブロックの並び替えにもつながり、結局日本語の語順で読もうとしてしまいます。
スラッシュリーディングは、日本語訳をするための手段そのものです。英語を英語で読むための手法になっていません。
私の知る限り、この方法で「直読直解」に成功した例はいません。今すぐやめましょう。
前置詞、冠詞まで分解するつもりで「一語一語」丁寧に、語順通りに読んでいきましょう。
私自身、ブロックに区切ることをやめて、一語一語順番に読むようにしたら英語の世界が一変しました。
(5)スラッシュだけではなく、コンマやピリオドも無視する
日本語の文章を読む時、「、」や「。」を意識しながら読んでいる人はほとんどいません。英語の長文を読む時も同じです。「,」や「.」は無視してどんどん読んでいきましょう。その方が、頭の中のイメージを変化させやすくなります。
(6)受験英語は要注意!
受験英語は、前から読んでいっても素直に読めない文章がよく出題されます。おそらくこれは日本人が書いた文章で、「前から順に読んだときにイメージを組み立てられる」という英語の大原則に従っていません。
間違った英語教育の結果、間違った英語で英文を書く日本人が多くいます。今後「前から読んでいく手法」が徹底されれば、このような英文が出題されることは減っていくはずです。
受験生でないなら、受験英語には手を出さないほうが賢明です。ネイティブが書いた本物の英語なら、少し読んだだけで難単語がでてくるはずです。簡単な単語しか出てこない文章は「不自然な英語」である可能性が高いです。
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