公立高校入試の作文指導

公立高校入試の国語では、作文問題が問われることが多く、「体験談を入れなさい」という指示がよくあります。

北本向学館では、体験談を実体験ではなく「フィクション」で書くように指導しています。作文に割り当てられる時間は非常に短く、実際に体験したことを思い出していると、それだけで時間がなくなってしまいます。また、細かい部分が気になり、短い文章にまとめることが難しくなります。

ただし、書き出しを「私が〇〇の時」(〇〇は企業秘密)と限定して書くように指導しています。フィクションを作る時、自由に書くよりも制限が多いほうが書きやすくなります。また、書き出しを決めることで、「書き出しで悩む」ということも防げます。

あと、注意点として、「聞いたことがある」は体験談として説得力がないので避けるように指示しています。そして「いつ」「どこで」「誰と」がはっきりわかるように書いてもらっています。これが決まらないものは体験談とは言えません。

一番重要なのが「~していきたい」で終わるように書くことです。体験談を通して「考えたこと」「感じたこと」を書いてもらい、最後に「自分の中でどういう変化があったか」を「自分の意思」として表現してもらいます。

単なる受験テクニックではなく、「自分の意思を効果的に伝える技術」と位置付けて指導をしています。

著者や出題者の意図を読み取る練習にもなります。

この指導方法だと、文章を書くことがあまり得意ではない人でも、それなりの文章が書けるようになります。


考える力、生きる力を育てるということ

比が苦手だった中2の生徒さん、小6中受のテキストを、1問1時間くらいかけて悩んでもらっていました。 解き方は教えません。どうしても進まない時はヒントのみ出します。 2~3日くらいはただ悩んでいるだけで全然進みませんが、4日目くらいから変化が出てきます。

新しいパターンの問題でも、考え方が見えるようになってきます。 解けなかった時は、情報の整理がうまくいってませんでした。簡単な問題なら簡単に解けるけど、少し複雑になるとパニックになります。 情報の整理の方法は、理屈ではありません。教えたらできるようになるというものではありません。

情報の整理がうまくできるようになるためには「情報の整理を効率よく行えるような回路」を脳の中に物理的に作る必要があります。 脳の神経回路は、組み変わるのに最低でも1晩かかります。回路が完成するまで、根気よく刺激を与え続けなければいけません。

1年前から少しずつ準備していき、ここ1か月で集中的にこのトレーニングをやっています。 小学生の問題を1問解くのに1時間もかけてしまうのは、一見すると非効率に思えるかもしれませんが、そんなことは全くありません。

彼の場合、既にやれることややり尽くしています。学校の定期テストは常に80点以上の上位の点を取れています。 足りないのは、数学に必要な「比や割合の感覚」「情報の整理の方法」のみです。 ここがクリアされないかぎり、これ以上の点を取るのは難しく、逆に点数は下がっていきます。

この箇所に数十時間かけたとしても、将来的には大きなアドバンテージが得られます。 例えば、今まで10分以上かけて解いていた問題が、2~3分で解けるようになったりします。 これを大学受験まで4年間勉強を続けたとしたら、とんでもない量の勉強時間の差が出てきます。

最終的に、数学を捨てるか捨てないかの差、国立大学を目指すか目指さないかの差にもなり得ます。 「情報の整理の仕方」が必要なのは、数学だけではありません。他教科の成果にも差が出ます。 アルバイトの身分だった時にはこういう指導はできませんでした。

もちろん、本人が納得した上で、本人の意思の元でやてもらっています。強制はしていません。 本人も「比や割合ができるようになる」ことを望んでいます。 たまに助けを求めてきますが、心を鬼にして、ヒントのみ与えます。 解き方を教えてしまっては、この回路は育てられません。

回路が形成されるまで最低1晩かかるので、悩んだその日に解決することはあまりありません。翌日、翌々日以降に成果が現れてきます。 数日経つと、視界がかなりクリアになって今まで見えなかった景色が見えるようになってきます。

他人の解法を真似る練習ばかりしていると、「他人の解法を真似る」のはうまくなりますが、「オリジナルの解法を生み出す能力」は育ちません。 自分自身が、「どいう自分になりたいか」をよく考えて勉強に取り組んでください。