ベクトルがイマイチ理解できないという高校生がいました。学校の授業では「ベクトルは矢印だ」と教えられたそうです。
そこで生徒さんに、どうして『(a,b)・(c,d) = ac+bd』になるか考えて(証明して)みてと指示。
数時間後「ベクトルって超簡単~」との返答が返ってきました。
ベクトルは矢印ではありません。空間においては「大きさと方向を持ったもの」と定義されます。
代数的には、「基底とそれに対する成分の組によって表わされる。」となりますが、ちょっと抽象的でわかりにくいため、自分で内積の証明をやったほうが理解が深まります。
わかりやすく言えば、座標計算に名前を与えて計算しやすくしたもの、もしくは視覚的に理解しやすくしたものがベクトルということです。
矢印は、スカラー量と区別するための表記であって本質ではありません。
公式を与えられた時、最初に自分で証明してみることが数学への理解を深めることになります。
今回の授業でも、ベクトルについて詳しく解説することはありませんでした。「内積の証明」をやるように指示しただけです。
当塾では講義型の授業はやりません。自分で考えて、自分自身の力で数学の世界を構築した方が何倍も効率よく、正確に理解することができます。
ただし、独自解釈で間違った方向へ行ってしまった場合は、今回のようにアドバイスをして修正させていただきます。