効率よく確実に覚えられる英単語の覚え方

エビングハウスの忘却曲線のまとめ

前回、エビングハウスの忘却曲線の正しい解釈の仕方について書きました。

  • エビングハウスの忘却曲線は覚えた量じゃなくて「節約率」を表している。
  • 節約率=覚えた量ではない。
  • 翌日、翌々日と連続して学習したほうが効率がよい。
  • 節約率100%になってようやく「覚えた」と言える。
  • 節約率が100%になる前の段階の記憶を「メモ帳」、節約率が100%になった後の記憶を「ノート」と呼んで区別する。
  • 節約率が100%になる(ノートに書き込まれる)と忘れる方が難しくなる。
  • 英単語を覚えるときは、必ず節約率100%になる(ノートに書き込まれる)ようにする。

頭の中にはメモ帳とノートがある!

節約率という言葉は少し難しいので、「メモ帳」「ノート」という言葉に置き換えて説明します。

メモ帳は「一日に必要な記憶を覚えておく場所」と覚えておきましょう。 記憶の整理は夢を見ている間(レム睡眠中)に行われていると言われており、この間にメモ帳の内容が整理(消去)されると考えられます。

もしメモ帳内の内容がクリアされないとすぐに一杯になって大変なことになります。私も睡眠障害でレム睡眠が阻害された経験がありますが、その時はメモ帳の内容がクリアされず、一日前の記憶と一週間前の記憶が混ざってしまったような感覚になりました。当然、新しく何かを覚えるだけの余裕もなくなります。

ノートの方は、一度書き込みをすると消す方が難しくなります。「嫌なこと」は忘れないし、一度覚えた言葉(日本語)の意味を忘れることは滅多に忘れません。脳内に記憶として神経回路が形成されると、物理的に破壊する以外に記憶を消す方法はなくなります。

英単語を覚えるときは、メモ帳を利用しつつも、ノートにしっかりと記録されるような方法で覚えましょう。

単語を覚えるのに必要なのは集中力ではなく繰り返しの回数

メモ帳に記録する条件は「集中力」

記憶に関する言葉の定義は曖昧になっているため、ここでは「メモ帳に覚える=暗記する」と定義します。

メモ帳に記録するための条件は「集中力」と考えられます。暗記力が高い人は、集中力も高い。

この「暗記力」には個人差があります。一度にたくさん英単語を覚えられる人もいれば、そうでない人もいます。

ノートに記録する条件はくりかえしの回数

一方、ノートの方は集中力や暗記力に依存しません。単純な回数で覚えられるかどうかが決まります。つまり、暗記力が高いからと言って必ずしも記憶力が高いということにはならないということを意味します。

とにかく脳内での繰り返しの回数を稼げばいいだけなので、覚えられる英単語の量はほぼ時間に比例します。暗記力の個人差はほとんど影響しません。

「繰り返しの回数を稼ぐ」方法は色々ありますが、次回詳しく説明します。

暗記が得意な人と暗記が苦手な人、どちらが有利?

暗記が得意な人は、ノートの書き込み条件に達する前に英単語を暗記してしまうため、記憶として定着する確率が低くなります。このため、「覚えても覚えても忘れてしまう」という感覚が無意識のうちに刷り込まれてしまいます。

このような状態になってしまうと、単語テストの前にしか英単語の勉強をしないという習慣が出来上がってしまい、覚えては忘れる、覚えては忘れるの繰り返しになってしまいます。それでも少しずつ単語力が増えていきますが、あまり効率のよい方法とは言えません。

暗記が得意な人も、苦手な人も、英単語を覚えようとしない!

一方の暗記が苦手な人は、英単語を覚えられないと思い込んでいます。覚えられないと思っているので、最初からやろうとしません。結局のところ、暗記が得意な人でも、そうでない人も単語を覚えるという作業はあまりやっていません。

実際、私が高校生の時、高3の夏まで英語の勉強を完全にサボっていたので、クラスで最下位レベルまで単語力は落ちていましたが、夏休み、たった1カ月図書室に籠って英単語の勉強をやっただけで、単語テストで学年1位の同級生(現役東大合格)と同じスコアを出せるまで単語力が上がっていました。

単語をしっかりと覚えている受験生は以外と少ないということです。

英単語学習は逆転のチャンス!

数学の場合、学力の高い生徒さんとそうでない生徒さんでは、同じ1時間の学習でも学習効率にはどうしても差が出てしまいます。

単語の場合、単語を覚える速度に個人差がほとんどないため、時間をかけたら時間をかけただけの成果が得られます。

成績があまりよくない人の場合は逆転のチャンスとなり、逆に成績のよい人はサボった分だけ確実に追いつかれてしまいます。

ノートに記録される英単語は1時間に10単語

暗記力には個人差があるため、メモ帳に記録できる単語は1時間に20~50個程度とばらつきがあり、平均で30個くらいが目安となります。

一方で、ノートの方は1時間に10個とほとんど個人差はありません。1時間に10個というとかなり少なく感じますが、例えば1日3時間、30日間続けたとすると、900語になります。

一度覚えた英単語は忘れることがほぼないため、30日集中して単語学習をすれば中学3年分、もしくは、センター試験に必要な英単語を覚えることができ、単語力が劇的にUPします。夏休みを利用すると効率よく覚えられます。

音声教材を活用して学習時間を稼ぐ!

1日3時間を英単語学習に充てるのは難しく感じるかもしれませんが、3時間集中して英単語を覚えなければいけないという訳ではありません。

集中力が必要なのはメモ帳に記録する場合であって、ノートに記憶する場合は必要ありません。ダラダラとCDを聞くだけでも学習時間にカウントされます。例えば、片道30分の電車通学の場合、往復で1時間を単語学習に使えばかなり学習時間を稼げます。

食事中に聞き流しをするとか、寝る前に30分、子守歌代わりに聞くなど工夫すれば時間を作れます。

見る、聞く、読む、書くをバランスよく!

英単語を覚えるというと、机に向かってカリカリやるというイメージがあるかもしれませんが、それでは飽きてしまい続きません。単語帳を見てチェックする、附属のCDを聞く、音読してみる、書いて覚えるなどバランスよく作業をします。

特に、発音を覚えるための「音読」、リスニングの練習にもなる「聞く」という作業をサボりがちです。

これら二つの作業は、サボればサボった分だけ、単語を覚えるのが苦しくなります。苦しいと感じてしまうと単語を覚えるペースが遅くなり、挫折する可能性も高くなります。

理論上最速?

脳内に神経回路を形成するのに繰り返しの回数が必要となりますが、これがほぼ時間に比例します。塾で多数の生徒さんにやってもらった経験から判断すると、単語を覚える速度は個人差がほとんどなく1時間に10個です。この数字が理論値と言ってよいと思います。

この数値通りの成果を出すためには、極力無駄を排除した覚え方が必要になります。次回、無駄のない効率的な覚え方についての注意点をまとめます。

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